かえるや花等を被写体とした自然な写真が欲しいとお考えの方におすすめです

花を撮るようになり、ひと夏、蓮池に毎朝通うようになりました。 もちろん、蓮の花を撮るのが目的でした。 雨の日も、晴れの日も、良い出会いを求めて ・・・ 。 きれいな花を求めて。 蓮の花を撮っていると、そこには「あまがえる」がいたのです。 小さくて、1～2cmほどの大きさです。 7月の初旬には、おたまじゃくしから、手足が出て、しっぽが切れて、という状態です。 怖くない可愛いカエルです。 しっぽがついているカエルもいます。 7月の中旬までにはそれは消えます。 そんなものでしたので、最初は無視していたカエルでしたが、「花しずく」を撮り終えた頃には、2,000枚くらいのカエルの写真が残りました。 手を振っているカエルもいました。 「これは面白いかもしれない。」ということで、翌年の夏のテーマにしたのが「あまがえる」です。 そこで見たものは、喜怒哀楽を持った、あまり人間と変わらない生活模様でした。 カエルは「人が近づくと逃げる。」と思っていませんか？ 違いますよ。 確かに、私が近寄っただけで、1mくらいの背丈の稲科の草を下からいっきに駆け登って「その先は無いよ。 君はどうするの？ 危ない、危ないよ。」と、思っていると、やっぱり、登り切って、草の葉先が折れ曲がり、お辞儀して、そのまま真っ逆さまに。 池面にポチャンと落ちてしまいました。 これには思わず笑ってしまいました。 しかし、私の行動を観察する者、笑っている者、怒る者、攻撃してくる者、無視をする者、薄目をあけて寝たふりをする者、ひょうきんにふるまう者、興味を持って近寄ってくる者、関心があることに夢中になって見ている者、寝入っている者 と、様々です。 本のこの表紙の写真のカエルも、何を感じて、何を考えているんでしょうか？ こんな小さなカエルでも、しっかりとした顔で「俺には考えがある。」というポーズをしています。 また、咲いている花には興味があるようで、長時間、動かずにじっと花を見ていますし、花に寄っていきます。 1cmのカエルが20cmも離れたところにある花に飛びつきました。 花の中にいたカエルにも出会いました。 人間と同じですよね。 彼らは彼らの境遇の中で、彼らなりにしっかりと行く末を見つめているんです。 このような場面を見物ができる蓮池のカエルは、見ていても飽きません。 ぜひご覧ください。